病理医になる ~就職編~
病理医について書かれている本に「病理医」は「絶滅危惧種」って書いてあります。その「絶滅危惧種」はどのように生まれ、生き延びるのでしょうか。今回は就職編です。
一般的には、大学院に進み、それと同時にその医局に属することになり、その医局が関連している病院に就職する人が多いと思います。先人が勝ち得た施設で勉強しながら、学ぶのです。そしてその施設を保持し、後輩に任せるのです。
でも、みんながみんな、大学院に進むわけではありません。また、医局に属していたもののそこから離れる人もいます。医局に属していない、「はぐれメタル」ならぬ「はぐれ病理医」がいるのです。(すいません、勝手なネーミングです。)この「はぐれ病理医」はどのように就職するのでしょうか?
① 知り合いの病理医がいてそこに就職(病理の講習会などでよく会う年配の病理医に声をかけられたり、、、)
② どこかの医局に属して、その関連施設へ就職
③ 病理医の募集がかかっている病院・施設に就職
①は解剖資格や病理専門医を持っていなくても、その年配の病理医の下で研鑽をつんでいけばいいでしょう。
②③でも先輩の病理医がいれば①同様です。
②③(特に③)で、その施設に先輩の病理医がいない場合は、さすがに解剖資格と病理専門医を有していることが望ましいでしょう。
③の場合、どのように募集を探せばいいのか、、、各病院のホームページで募集をみるか、病理学会のホームページにあがっている募集をみる、これらは結構大変です。すべて自分で調整をしなくてはなりません。
多くの場合は、医師の転職情報サービスを行っている業者(紹介業者)を利用することで、情報を広く、細かく集めることができます。また、面談の日程や雇用条件などの調整も業者を介してすることができるので、転職・就職を自分でしようと思う医師にとってはありがたい存在です。
とある時期の、とある医師転職情報サービスの病理医募集の案件をみてみましょう。43件あがっています。日本病理学会は、①北海道 ②東北 ③関東 ④中部 ⑤近畿 ⑥中国・四国 ⑦九州・沖縄の7ブロックに支部を置いているので、この案件を7ブロックに分けてみましょう。するとこうなります。
①北海道 2件
②東北 11件
③関東 3件
④中部 12件
⑤近畿 9件
⑥中国・四国 0件
⑦九州・沖縄 6件
あれ、「絶滅危惧種」なのに。不思議ですね~。