「一人病理医」に光明。「PathPort どこでも病理ラボ」

だいぶん間が空いてしまいました、お久しぶりです。「一人病理医」のpatholtanです。以前からお話ししている「一人病理医」に一筋の光明が差し込んだ、というお話しです。

 

「一人病理医」とは病院に勤務する常勤病理医が一人しかいない状態によく用いられる言葉です。「一人病理医」が診断について他の病理医に相談したくても、すぐにはできません。昔は標本を持って、数十Kmも先の経験豊富な病理医のところまで行き、相談していました。

 

病理診断科ではありとあらゆる臓器が全臨床科から提出され、その診断にあたっており、一筋縄ではいかないこともあります。また、免疫組織化学や分子生物学の進歩、研究の成果、画像診断機器の精度向上などにより、病理の組織学的診断名も10年前と比べて細かく分けられるようになりました。一人の病理医で全範囲を完璧にでカバーすることが難しくなっているのです。特に稀な疾患ではその傾向が顕著になります。

 

ごく最近、インターネットを介して顕微鏡の画像(以前のブログでも説明したwhole slide image (WSI))を複数の病理医で見られるようになり、その場に複数の病理医がいなくても相談、議論ができるようになりました。その名も「PathPort どこでも病理ラボ」という取り組みです。新型コロナという背景もあり、WEB会議や学会や研究会、講習会のWEB開催などが盛んになっていますが、まさにこのご時世、このご時勢にあった取り組みでもあります。

「PathPort どこでも病理ラボ」では症例検討会の他にエキスパートによるセミナーやライブコンサルテーション、講演会、若手の会なども行っています。「一人病理医」、若手の病理医はもちろん、いろんな意見を聞きたい病理医、いろんな意見を発信したい病理医にもおススメです。

 

今後、こういった取り組みがどこまで進化していくのか、その中にはいって注視したいと思います。