僕のいう青とあなたの見ている青

こんにちは。

いままでお話ししたように、病理医は肉眼や顕微鏡を駆使して、病理診断を下しています。病理診断では、どの分類に入れるか、どのぐらい進行しているか、癌細胞はどんな特徴があってどのような治療をすべきかなどを評価し、病理診断書に記載しています。

 

ここで大事なのは、臨床医が病理診断書をみて病理医と同じことを思い描けるかどうかです。

 

題名にあるように、同じ「青」と表現されていても全く同じものをみているかわからないのです。うすい青もあれば群青色のように濃い青もあります。青信号のように実際には緑色であっても青と表現しますよね。同じ青に分類されていても実際にはその中でばらつきがあるのです。(ゆらぎ)

 

ヒトは言葉をもつ生き物で、言葉を介してお互いの情報を交換しています。また同時に、言葉を使うことで分類しています。つまり、頭で思い描いているそのままを伝えることはできないのです。おのおのが持っている情報や知識の差、語彙の差、社会背景の差などによっても変わってしますのです。

 

頭にある情報を可視化できれば面白いですが、同じ映像を見て思うことは人さまざまですよね、きっと。

 

ということで、病理診断のお話から、分類や脳科学のようなお話まで広がりすぎてしまいましたので、この辺で。