個人で顕微鏡を所有する? 所有しない?

病理医は顕微鏡で見て/診て、病理診断をする仕事です。もちろん肉眼所見も大事ですが、主題からそれるのでここでは置いておきます。

 

病理医にとっての顕微鏡は、弘法でいえば筆、料理人でいえば包丁、内視鏡医でいえばスコープに相当します。「弘法は筆を選ばず」というのは真っ赤な嘘で、「弘法はより良い筆を選ぶ」というのが本当でしょう。より良いものを生み出すためにはその努力は必要なのです。

 

病理医は個人で顕微鏡を所有する人と所有しない人とがいます。どちらでもいいのですが、働いている施設で購入する場合も含め、どのレンズで揃えるかが重要になります。

 

ちなみに、顕微鏡はどのくらいの値段なのか?

この職種の人にしかわからないことですね。

 

とあるメーカーの価格表を見てみましょう。

顕微鏡本体は同じで、主に対物レンズのグレードの違いとなりますが、

一番グレードの高い生物顕微鏡のセットは税込み約190万円です。

一つ下のグレードの生物顕微鏡のセットは税込み約120万円です。

 

対物レンズの違いとは、主に解像度の違いになります。見て診断しているので、よりくっきり見える方がいいに決まっていますよね。

 

自分自身は個人でも所有していて、対物レンズはやはり一番グレードが高いものにしています。そして個人的な意見としては、病理医個人で顕微鏡を所有すべきだと思っています。自分のものだと大事に使うし、お金出してるから、より使いたくなるでしょ?