術中迅速診断 2

昨日お話ししたように、術中迅速診断は凍結して作製した標本で診断しています。

 

したがって、凍結しにくいものや硬いものはきれいな標本になりにくいのです。

 

凍結しにくいものの例としては脂肪組織が挙げられます。乳癌の手術ではリンパ節が術中迅速として提出されることが多いのですが、リンパ節の周囲の脂肪組織を残したままだときれいな標本ができず、診断が困難になります。なので、①凍結する前に脂肪組織をはずすこと、②凍結してから刃をいれて薄く切る(薄切する)向きが大事になってきます。

 

硬いものの代表は骨や歯などの硬い組織、あと注意しなければいけないのが氷です。術中迅速の組織を生理食塩水にボチャンといれて提出されると、生理食塩水の水が凍結して邪魔になるのです。

 

永久標本も凍結標本も作製は臨床検査技師が行います。病理医と臨床検査技師はタッグを組んで、病理診断しているのです。